ALISのICOに参加するリスクについて
この記事は少々辛辣な表現になっておりALISが詐欺であるかのように解釈されるかもしれませんが、あくまで可能性の話にすぎません。公式の方がもしご覧になって気分を害されたら申し訳ありません。あくまでも注意喚起が目的でありICOを妨害するものではありません。
ALISのICO開始がいよいよ9月1日に迫っています。
日本語のホワイトペーパーが用意されていて日本国内のサービスを行うためのICOということで注目を集めています。
しかしICOは株式上場とは異なりいろんなリスクがあるので注意喚起としてまとめてみました。
ALISについては以下を参照してください。
目次
- 詐欺リスク
- 上場しないリスク
- ロンチしないリスク
- 法改正リスク
- インフレリスク
- そもそも割高リスク
- ハッキングリスク
詐欺リスク
ホワイトぺーパーを読む限りはとても考え込まれていて夢のあるプロジェクトですが、この全てがICOで資金を集めるためだけに考えられた詐欺プロジェクトである可能性をまず考えなければいけません。
ALISはITMedia等々のメディアに露出しており「詐欺をするなら大々的に宣伝する必要ないじゃないか」と思われるかもしれませんが、逆にその宣伝で大きく資金を集めることができるので詐欺を否定する要因にはなりません。
またALISが詐欺をするつもりがなくてもスタッフの一人が集まった金を持ち逃げしてプロジェクトが頓挫する可能性が無いとも言えません。
ICOは誰が審査したわけでなく、ICOに参加する各々が個別に審査しなければいけないので常に詐欺リスクは考えなければいけません。
上場しないリスク
9月1日のICO開始で申し込み(事実上の入金)を行えばすぐにALISトークンが手に入りますが、その時点ですぐに売ることはできません。
- もちろん仮想通貨なので自身で相手を見つけて個人的な売買を行うことは可能です
公式では現在海外の取引所での上場を目指していますが、国内の取引所への上場は来年以降になるようです。もちろん海外の取引所へ上場してもその取引所に口座を持っていなかったら売買できません。
上場しないことは無いと思いますが、この記事を公開した時点では上場は決まっていませんのでしばらくは取引できないことを忘れてはいけません。
ロンチしないリスク
ロンチ(Launch)とは
ローンチとは、新しい商品やサービスを世に送り出すことである。日本語では「立ち上げ」「公開」「開始」「発進」などの語が相当する。
http://www.weblio.jp/content/%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%83%81
ICOで資金が集まり本格的な開発がスタートしてもそれがいつ公開されるかは不明です。
公開されない可能性もあります。
開発が進まない、法改正に引っかかる、同様のサービスに先を越される等理由はいくらでも考えられます。
上場後にすぐ売却する予定の人は関係ないのですが、ALISの理念に共感して長期的に保有する予定の方はロンチしない可能性も考えておいたほうがいいです。
法改正リスク
ALISは今まで日本にない[仮想通貨によるインセンティブを付与するサービス]です。
- 仮想通貨と書きましたがトークンと言ったほうが適切かもしれません
VALUでの事件など仮想通貨であることに基づく被害者救済のため急な法改正が行われる可能性があります。その際にALISのインセンティブであるトークンの扱いが違法になる、公式機関の許可が必要になる等の事態になり、その結果ロンチできなくなることがあるかもしれません。
時代の先端を走ると利権を求める輩が現れたりしますからね…
インフレリスク
公式のホワイトペーパーによるとALISトークンは[インフレ率が50%のトークン]とのことです。
私の解釈が間違っていなければ[毎年50%のトークンが新規に発行される]ということになります。
新規発行分は参加ユーザーのインセンティブとして扱われるとのことであり、ALISユーザーが継続的にサービスを利用するモチベーションに繋がりますが、その反面、トークンの価値は減っていきます。
- 公式のホワイトペーパーによる見解ではトークンの価値も上がると試算されていますが、理論的にはトークンの価値は下がるはずです
- 現在の仮想通貨全体の価格上昇が健全なものならばトークンの価値も上がっていくと考えられますが、バブルだとしたらやはり下がるはずです
- 長期的にはリップルのようになだらかな下降トレンドを形成する恐れがあります
- 短期的には上記の理由からすぐに売ってしまったほうが良いという発想に繋がりやすく、(上場したとして)価格が乱高下する恐れがあります
そもそも割高リスク
ALISのICOによる調達金額は公式によると
最低調達金額: 350万ドル( ≒ 11,666 ETH )
最高調達金額: 3000万ドル( ≒ 100,000 ETH )
単純に1ドル100円で計算して最低が3.5億円最高が30億円となります。
今回のEthereumを通じたICOはALISトークンの25%となります※1。
つまりALISトークンの時価総額は最高調達金額の4倍、120億円相当になります。
類似サービスを公開しているはてな株式会社の2017/08/28時点での株式時価総額は約77億円であり、ALISトークン120億円は割高であると感じます。
「はてなどころじゃない、もっと大きくなる可能性を秘めている」といった反論が聞こえてきそうですが、現在はまだICOの段階でプロジェクトの進捗状況は0%です※2。
実際に数億円の売り上げを上げているはてな株式会社の価値を、売り上げどころかに何も始まっていないALISが上回るのは割高と言わざるをえません。
なので上場後ににICOより安く売買される可能性は高いと思います。※3
- ※1 公式ホワイトペーパーの[9. トークンはどのように作成・配布するのか]を参照
- ※2 公式github(https://github.com/AlisProject)を見たところsteemをフォークしただけでリポジトリの作成もまだ行われていない(2017/08/28現在)
- ※3 相場では実体以上の評価を受けて価格が高騰することは珍しくありませんので上場後の価格については一切の保証をしません。自己責任で判断してください。
ハッキングリスク
ハッキングについてのリスクは色々と考えられますが、ここではICO申し込み時のハッキングリスクについてです。
9月1日のICO開始と同時に公式サイト(https://alismedia.jp)での申し込み受付が始まります。
手順に沿って進めていくとイーサリアムのアドレスが表示され、そこに送金をすることで申し込みが完了となります。
しかし、万が一にも公式サイトがハッキングされる可能性も否定はできません。
公式サイトに表示されたイーサリアムのアドレスはハッカーによって書き換えられた偽のアドレスかもしれません。
実際にそのような事件が起こっています。
http://www.bibitpost.com/archives/1138
公式サイトのハッキング(乗っ取り)については参加者には防衛する手段がありません。タイミングとしては9月1日のICO開始直後が一番危ないと思います。(参加者は我先にと申し込みを急着、サイトの確認がおろそかになるので)
もしハッキングされた偽のアドレスに送金してしまったら、それは戻ってこないと考えたほうがいいでしょう。
ICOはまだ歴史が浅く、現在はICOバブルだとも言われています。
そして日本向けのICOは例が無く人気が予想されます。
しかし上記のようなリスクが考えられる上、ICOはIPOのような上場審査が無く誰でも公開できる状況です。
夢の詰まったホワイトペーパーひとつで数十億円、数百億円の資金が調達できるICOはバブルであると言わざるをえません。
今回のALISが成功したとすれば余計に詐欺師が目をつけるはずなので、今後も含めてICOの参加には十分な注意が必要です。
[全額失うリスク]は株式より格段に高いです。
くれぐれも[失っても構わない資金]で参加することを心がけてください。