VALUは発行者が圧倒的有利で購入者は圧倒的に不利な理由
(2017年8月22日21時,続き書きました)
「VALUは株のようなもの」という触れ込みで始まりましたが、そうでないのはいろんな方が言及している通りです。
配当はダメ、集まった資金で事業を起こしてそれで儲かっても配当しちゃダメ、優待ならいいけど情報商材とかダメ。
どのくらい違うのか比較するために、東京証券取引所の上場審査基準を調べてみました。
東証の審査基準
以下は東証で一番基準の緩いマザーズの基準です。
- (1)株主数
(上場時見込み) 200人以上
(上場時までに500単位以上の公募を行うこと) 800人以上
- (2)流通株式
(上場時見込み)
流通株式数 2,000単位以上
流通株式時価総額 5億円以上
流通株式数(比率) 上場株券等の25%以上
規模が違うので時価総額とかは一旦置いときますが、注目して欲しいのは
流通株式数(比率) 上場株券等の25%以上
という部分です。
これをVALUに当てはめると、「5ooooVAを発行したら公開時に12500VAを流通させなければならない」ということになります。
VALUの現実
しかしVALUでは「公開時に〇〇VA売りださなきゃダメ」という規約はありません。
実際のVALUでの常套手段は、
- VALUを公開する
- 1VAだけ売る
- 翌日は値幅制限が上がるのでまた1VAだけ売る
この繰り返しで流動性のないままにVALUは簡単に上がり続けます。
需要に対して供給が圧倒的に少ないので、VAの本質的な値段とはかけ離れて上昇します。
ちなみにライブドアは100分割という方法で需要>供給という状況を作り出して株価を暴騰させたことがあります。
100分割は違法ではありませんが、当時は「そんなことする奴はいないだろう」という暗黙の了解がありました。ライブドアはそれをあえて行いました。
後にルールが改正されて、100分割をしても需給が極端に良くなる方法は使えなくなりました。
VALUは公開時の流通量を増やすべき
つまりVALUには公開時の流通量に規定が無いので圧倒的な需要が生まれます。
購入者保護を考えるならマザーズの様に[最低でも公開時に25%流通させること]とするべきです。
これにより売り買いが活発になり、無駄に暴騰することは避けられるはずです。
おまけ
ちなみに有名どころのVALUを見てみます。(2017年8月22日現在、敬称略)
- 発行VA数 10000VA
- 出来高 515VA
- 発行VA数 5000VA
- 出来高 91VA
イケダハヤト
- 発行VA数 20000VA
- 出来高 355VA
今調べてみてビックリしました。
発行数と出来高の比率が一番多い堀江さんで5%程度です。
株だと大体、株式公開初日には100%超えるのに有名どころの人でこの流動性です。
VALUすげぇ。盛り上がってるように見せかけて超過疎ってるじゃん。